アートの広場 Vol.03 ………… 「紙の本」は三次元
電子書籍には、もう随分お世話になっている。
とにかく、いつでもどこでも読めるというのが良い。
だが「紙の本」との違いは自分の中では明瞭になってきた。
一言で言うとモニター画面の平面・二次元の電子書籍に対して
「紙の本」は三次元だということ。「あゝ厚みか」と思うかもしれないが
一覧性や記憶の引き出しとして考えると空間というか、この三次元というのが
大きい役割を果たしている、とつくづく思う。
あの本の、あのあたりに書いてあったなとか、厚みで記憶しているからそう思う。
もちろん電子書籍でも「束」を色々工夫したものもあるが、原理的に無理がある。
三次元的な、立体的な引き出しというのが分かりやすい例は、自分の書棚でもいいが
行きつけというか、馴染んだ図書館なり、本屋のジャンル分けを考えてみると
自分の頭の中に、何階のあのあたりに行けば、この情報はあるな……というような雰囲気だ。
あのような空間的な「引き出しの地図」が頭の中に出来ているからだと思う。
知的な刺激を得たいときは、本屋でいつも行かないコーナーに行くと面白い発見がある。
そういう例が先日あった。
もう子供が大きくなってからは育児書のコーナーなんて
行かなくなっていた。ふらっと立ち寄った場所に、帯の文句が
「この本こそ子育て中の新米ママの味方だと思いました」という文言に
サインが付いている「宮崎駿」だ。本の名前は「子どもはみんな問題児」
「ぐりとぐら」の中川李枝子さんの本。
一瞬に色んな事を思い出した。この先を書き出すと長くなるんで今度……。
本自体は、読み終わってから子育て中の仲間にあげた。
その近くの絵本のコーナーには例の「おやすみロジャー」が平台展開
されていたが、これは2010年から各国で1位を取り続けて、この冬(2016.2.20)日本に上陸してからマスコミで取り上げられ続けて10分で寝かしつけられる、と大評判になっている。
個人的には、どうもあの絵自体と絵の少ない「絵本」というのが引っかかってはいる。
心理学的手法なのだろう、というか催眠術的要素で、寝かしつけの効果はあるようだ。
私的には「どうも…」なんですが。